恐怖のLv13

13級への技法

スマホの将棋アプリ『ぴよ将棋』。

私がある日、急に将棋を指したくなって、初めてインストールしたアプリです。

無料で高機能、なにより親しみやすいデザイン。軽い気持ちで打ち始めた私にはちょうど良い将棋アプリでした。

今では「ぴよ先生」と呼んでいます。

はじめての対戦

『ぴよ将棋』は、対戦COMのレベルをLv1からLv40まで細かく選べます。

私の初対戦は、Lv10「ぴよ太」(R450、8級)。各レベルごとに、名前が付けてあって親しみやすい。

当時の私は、基本的な駒の動かし方とルールは知っていましたが、桂馬は後ろに下がれなかったけ?といった具合です。垂れ歩も割打ちの銀も知らず、駒をどんどん前に進めるだけ。

相手が何回も悪手をしてくれたので、なんとか、ぴよ太君に勝てたのですが、すんなり勝てなかったのがびっくりです。将棋AIが名人に勝つという話題さえ知らなかった当時の私。コンピュータの将棋は弱い・訳の分からない手を指すというイメージだったので、ずいぶん進歩したんだな、強いなという新鮮な感想でした。

続いてLv11「ひよ音」(R510、7級)に挑戦。待ったやヒント機能を何回も使いながらであれば、勝ったり負けたりの良い勝負。

また、一番弱いLv1「ひよこ」(R30、15級)から挑戦し直したりして、だんだん将棋の面白さ、難しさがわかってきました。

図書館で将棋の入門書も読み始めました。「手筋」という言葉にはなじみがなく、「新たな技を覚えたぜ」といった感覚です。目から鱗の技ばかり。日々強くなってゆく感覚があり、将棋を指すのが楽しくて仕方なくなりました。電車で『ぴよ将棋』対戦していて、うっかり降りる駅を過ぎてしまったことがあったのもこの頃でした。

対戦を重ねて、Lv11「ひよ音」には、11勝9敗と勝ち越せるようになりました。

そしてLv13

そんな私の前に立ちはだかったのが、Lv12「ピヨ介」(R570、6級)と、Lv13「ひよか」(R630、5級)です。

当時の私には、二人とも鬼のように強い。特にひよかさんには全く歯が立ちません。

Lv11以前とちがうのは、序盤での角換わりを指向してくることだと思います。手駒になった角を、こちらの陣地に打ち込んできて、暴れまわられてしまう、といった印象です。

角交換を避けたい私は、なんとか角道を閉じたまま戦う方法はないかと模索し始めます。ですが、それがかえっていけない。窮屈な自陣と、手薄な攻め駒になってしまい、攻め筋・勝ち筋がまったく見えません。

それでもひたすら、挑戦する日々。ピヨ介君には通算53敗、ひよかさんには通算23敗しています。

そうした対戦姿勢だったので、守りや受けはいくらか上達してゆきましたが、得意の戦法がない、守って待ち構える、という棋風が身についてしまいました。

第二の壁Lv18

対戦COMは低レベルであれば、凡ミス・悪手を1局の中で1回はしてくれます。

私はその隙をついて、まぐれ勝ちを拾い、レベルを少しずつ上げて挑戦してゆきました。ただ、あくまで、まぐれ勝ち。妙手で勝ったぞ、こっちの読みの方が勝ったぞの感覚はなく、将棋がすこしつまらなくなった時期でもありました。

そして第二の壁は、Lv18「ピヨ行」(R800、3級)です。

ピヨ行くんは、かなり好戦的だと思います。無理攻めもしてきます。ただ、将棋はやっぱり攻めた方が有利に事が運びやすい。受けの姿勢が強い私には、ものすごく相性が悪い。なので、ピヨ行くんにも通算53敗しています。

ピヨ行くんの攻めの姿勢には学ぶことが多く、私も私なりに攻め方を身につけないとなあと考え始めたのを覚えています。

『ぴよ将棋』の魅力

『ぴよ将棋』の魅力は、なんといっても、親しみやすいデザイン。

そして、レベル毎に、棋風がそれぞれ変わっているのかなと思います。単に悪手・疑問手の割合が多い少ないだけではなく、性格らしきものがあるのも魅力です。

「ぴよ太」といった風に、COMに名前がつけてあるのもいい。たったそれだけですが、私のように対戦への思い入れが沸く人もいるはず。

また、棋譜解析機能・ヒント機能もついていて、これが本当に学びになる。解析機能は有料となる将棋アプリが多いなかで、うれしい機能です。私は将棋始めて3か月くらいはずっと『ぴよ将棋』ばかりで、他のアプリは使用していません(将棋本は読んだ)。それでも解析機能のおかげか、10級くらいまでの力はついたはず。

ちなみにCOMレベルの参考級位は、『ぴよ将棋』内での話。『ぴよ将棋』の級位+5~7=一般の級位くらいだと思います。

例:Lv18「ピヨ行」(R800、3級)に勝てても、一般的には8~10級程度

堅実な棋風

『ぴよ将棋』だけでなく、将棋AI・対戦COMの全般に言えると思うのですが、何々戦法で攻めるということを目指していないように思います。

その時その時の局面における最善手を計算して地道に指してくる。レベルが高くなればなるほどそういう傾向が強いと思います。

だからAI・COMとの対戦を続け、その棋譜解析で学んでゆけば、それだけで手堅い棋風を身に付けやすい。もちろん手筋や妙手も学べますが、一見なんでもないような一手が、実は将棋にとって好手だと気づかされると思います。

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