歩と金銀をずらしておけ

2級への技法

竜や馬を作れて、さあこれから終盤戦になるという時、まだまだ決着まで時間がかかりそうだという場合と、このまま押し込んでゆけば勝てそうだという場合の2つに分かれます。

相手の美濃囲いがしっかり残っていたり、穴熊に籠られていたりすれば、相当な手数と戦力が必要です。ただ、どんな囲いにも急所があり、その急所を最初に守っているのが、相手の歩です。その相手の歩が、定位置からずれていれば、垂れ歩を叩き込んだりして、迅速に囲い崩しへ取り掛かることが可能です。

できればさらに、相手の金銀の連結が崩れていれば尚良い。浮き駒があれば、竜や馬の機動力を活かして、かっさらうことができます。

城郭で言えば、外堀が崩してある状態であれば、決着まで早い。

ただ、この外堀をいつ崩してゆくか。実は終盤では崩している余裕など無い。正攻法でやっていては、相手に逆転の余地を与えかねない。

中盤以前に、これからの終盤戦で、どこが戦場になるのか予測しておく。そして、こちらの歩をガンガン突入させていって、相手の歩をずらしておくか、こちらの歩を捨てておく。できれば、歩一枚を犠牲にして、相手の金銀をずらしておく。そういう事前工作ができているかどうかが、終盤でのスピード感に大きな影響を与えている。もちろん中盤以前でも一手一手は大事で、今は響かないその一手をどのタイミングで的確に入れられるか、そのセンスも問われる、と最近、強く思うようになりました。

【関連】

さりげなく歩を突き捨てておく

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