玉の堅さ、広さ、遠さ

5級への技法

将棋で自分より強い相手との戦いでは、よりいっそう、自玉の安全度を高めるのが大事だなと、最近つとに思っています。相手の方が上手いので、どうしても攻められがち。こちらの陣形がしっかりしていないと、すぐに寄せ・詰めになってしまいます。

また、こちらが優勢的に攻めていたとしても、どこかで、相手に手駒を与えることが多いです。致命的なカウンター・攻防手をくらわないためにも、あらかじめ自玉の安全度を高めておいて、憂いなく攻め続けたい。

玉の安全度の指標としては、「堅さ」「広さ」「遠さ」でしょうか。

「堅さ」(固さ、硬さ)は、金銀を何枚守りに使っているか。および連結し合っているか。桂馬や香車もあれば尚良し。もちろん歩も欠かせません。金銀4枚を使った穴熊が一番堅い囲いと言えるでしょう。堅いほど基本的には安全ですが、かといって、攻め駒に使える枚数が減ってしまうのも、防御一方になってしまうかもしれません。「玉の守りは金銀3枚」と言われるのは、裏返せば、銀1枚は攻めに使おうよ、ということなのかもしれません。

「広さ」は、万が一の玉の逃げやすさ。どんな囲いも完璧ではなく、玉の早逃げを選択した方が安全だった。がちがちに固めず、陣形を組み替える余地があった方がよかった、というケースもあります。穴熊は堅いですが、広さの点では弱点をかかえていそうです。

「遠さ」は、相手が攻め込んできそうな地点から、どれだけ自玉が遠いか。囲いの多くは、右辺または左辺のどちらかに寄っているのは理にかなっています。たった1マスだけでも玉が遠いと、それが勝敗を分けるということにも出くわします。もちろん自玉が囲いに入城しているかどうかは大きな違い。

以上は、棋書・入門書にも書いてあるようなことですが、戦いながら3つの視点で自玉の安全度をチェックできるようになったのが、自分でもちょっと成長したかなと思います。

特に最近は、「堅さ」と同じくらいに「遠さ」も重要だなと感じてします。たとえばもし、相手が金銀やと金だけで突破してきたならば、1マスずつしか進めない。自玉が遠ければ、いくらか手数に余裕があるはず。安全でもないけれど、差し迫った危険でもない。ならば攻めの手番にできるケースもあるように感じています。

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