「馬は自陣に引け」という言葉が将棋にはあります。
馬の守りは、金銀3枚に相当するから、自陣に引いて、守りを固めろ。そういう格言だと以前の私は思っていました。
最近、実戦の中で感じるのは、馬は一度、自陣側に引いて、効きの角度を変えないと、攻撃力が活かされない。だから、自陣に引け、という意味なのかなとも感じるようになりました。
竜とちがって、馬が敵陣の中にいてもできることは限られる。
守備のために、馬を引くのではない。攻めのために、睨む位置を変える。
守備に役立つのは、ついでの話。もちろん一石二鳥で優位は増す。
上部から、外から、遠方から、睨みを利かす方が、馬は怖い。特に相手玉に直射していると、その線上にある相手の守備駒は動けない。
寄せに入る段階では、相手玉の前に陣取れば、詰みも見える。
どちらにしても、馬と成った位置から、一度引いて、斜め前から睨みを利かす。相手を横や縦から押しつぶすような力ではなく、スパッと切るような力の在り方。それが馬の活かし方かなと最近感じています。
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