受けの棋風寄りの私が、最近の対局で心掛けていることは、もう受けていても仕方ないと思ったその時に、攻めに転じることです。
相手の攻めが巧かったり、こちらが受け間違えたりして、もう自陣を突破されるのは確実。ここでさらに粘っても、食い止めることはできない。そんな局面を迎えることがあります。
その時に、以前の私だったら、さらに守備駒を投資して、被害や瓦解を最小限に食い止めようとしていました。でも、ほとんど手数の延命にしかなりません。負けはほぼ確実です。
最近、その危険察知のアンテナが少しだけ敏感になってきたのか、さらに一手か二手か手前で、もう受けていても仕方がない、と感じられるようになりました。そして、受けることは放置して、攻めの手を選ぶのです。
この時に、相手が受けてくれれば、こちらの攻めをまた一段階進めることができます。つまり、しばらくの間、こちらが受ける心配をしなくてもよくなる。
もし相手が受けずに攻めて来ても、こちらもまた攻める。自陣を突破されるのは確実。でも、まだ瓦解していないので、正確な速度は相手にも分からないはず。なので、こちらも相手陣へ迫る気迫を見せる。どちらが速いかの勝負に持ち込む。おそらく相手の方が一手二手速いかもしれないが、ぎりぎり攻め合いが成立する方に賭ける。
自陣が崩壊し始めてからでは、攻めに転じることはまず不可能です。崩壊が確実であったとしても、その手前ならまだ攻めるチャンスがある。そういう戦い方をするようになって、いくらか勝機が増えてきたかなと思います。
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