どうやって攻めたらよいか、其の二

13級への技法

将棋の初心者を脱しつつあった私は、どうやって攻めたらよいのかに悩みました。

とりあえずの大まかな方針として「相手玉を直接ねらう」「龍を作る」「相手飛車をねらう」が思いついたのですが、これらは実際上、困難です。

そこで次に思いついたのが、次の3つの攻め方です。

  • 駒得をめざす
  • 歩を捨てる
  • 全体的に押し上げる

駒得をめざす

こちらの駒の犠牲なく、相手の駒を奪えればリードを広げることができます。

歩1枚でもいい、駒得したい。危険ですが、飛車による横歩取りも指すようになりました。

プロ棋士同士の戦いでは、序盤で銀1枚を失えば、ほぼ負けだと聞いたこともあります。銀は攻めに繰り出すことが多いので、歩をつかって上手く包囲すれば、意外に狙いやすい。

あとは桂頭、角頭も分かりやすい標的です。

そんな風に攻めの姿勢をみせたところ、実際上なかなか駒得することはできませんでしたが、少なくとも相手の攻めを咎めることにはつながりました。

歩を捨てる

相手の陣形はしっかりしているし、こちらも無理に駒を動かしたくない。

そういう時は、とりあえず歩を突くことにしました。しかも、2つ3つと歩を突きます。ほとんど捨てているに等しい行為です。

そうすると、相手の駒の動きが、ぴたと止まることが増えました。相手はこちらが何を狙っているか深く考え、悩みだしているのでしょう。

それもそのはず。こちらは意味なく歩を突いているのですから。

相手からすると、不気味なのだと思います。最初の歩は素直に取れても、2つ目3つ目は考え出す。これは絶対なにか裏がある、迂闊にとれないな、となる。

上手くゆけば突いた歩で拠点ができるし、仮に取られても、相手の歩を動かすのに成功したと思えばよい。お互いに動けなかった局面ががらりと変わり、新たな攻め口が見つかることがありました。

特に、3筋4筋5筋で歩を捨てておくと、とても危険な布陣になってしまいますが、終盤において垂れ歩・と金作りをしやすくなりました。

全体的に押し上げる

攻めの糸口がまったく見つからない場合には、金銀を使って、歩を水平に並ぶように押し上げてゆく、という攻め方も試してみました。

サッカーでたとえれば、ディフェンスラインを上げてゆくという陣形です。

駒落ち対局で、上手がしばしば使ってくる手法です。歩1枚さえ取らせてもらえず、相手陣が徐々に徐々に迫ってきて、圧力がすごい。こちらの飛角はもちろん活躍できません。

この戦い方の弱点は、相手に持ち駒をいっさい渡せない点です。とくに飛車や角行を交換してしまうと、まずい。放り込まれて、簡単に龍・馬を作られ、後ろから追い立てられてしまいます。

また、玉を囲うということはもちろんできないので、一度前進を始めたら、入玉を目指して止まることができません。奇襲戦法とはちがいますが、まっとうな攻め方ではないなとも思います。

中央に厚みを持たせる程度に、歩金銀を押し上げるのであれば、相手の攻めを抑え込めるようには思います。ただそれも中途半端。変に空間ができる・打ち込まれる隙ができるので、中盤以降、苦しくなることもしばしばです。

歩を取られないように駒を進めているので、自分の飛車・角行も、相手駒と同様にあまり活かせていないというデメリットもあります。

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どうやって攻めたらよいか、其の三

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