最近の対局では、できるだけ自分から積極的に攻めるようにしています。1つの仕掛け方がいくらか身についてきたので、バリエーションを増やそうと、他の仕掛け方も勉強しています。すると、将棋の攻め方には、いくつか共通点があるように思えてきました。どんな戦法や局面でも使える一定の駒の動かし方、使い方のコツがあるように見えます。ただ、それにはあまり名前がない。
単発の手筋には、たとえば「割打ちの銀」や「ふんどしの桂」のように、どれもしっかり名前があります。印象的なネーミングで覚えやすく、それらを解説した初心者向けの棋書も多数存在します。
けれど、3手以上の駒の動きがある手筋ですと、私がぱっと思いつくのは「棒銀」「ダンスの歩」くらいです。他にも有力で汎用性のある一連の駒の動きがあるのに、なぜか名前が付いていないことが多い。だから、攻め方がそもそも学びにくく、覚えにくいのではないかと思うようになりました。
なので、自分の中で、いくらか類型化できた仕掛けには、自分なりに名前を付けるようにしました。そうしたところ、攻め方を迷った時に、あの仕掛けが使えないか、この仕掛けはどうだろうかと、具体的に考えやすくなりました。
さて、汎用性のある仕掛けに共通するポイントとして、私なりに今のところ分かっているのは、「桂馬の跳ねる先」「角道」「飛車筋」「両取り」「開きで作動」です。これらを軸に、3手から7手ほどの駒の動きをまとめて、自分なりに名付けておきます。
これに「王手絡み」や「放れ駒」「繰り返し」がかかわると、かなり強力な手筋になります。
優れた仕掛けは、相手に「義務化」と「二者択一(二律背反)」を迫ります。つまり、相手は、こちらの仕掛けを無視すれば相当に酷い事になり、仮に受けても、かなり堪えるか、だいぶ悪いかのどちらかになるような狙いがあります。
そうした仕掛けの引き出しをたくさん持っていること、局面に応じて瞬時に使い分けられること。それが今の私にとって当面の課題の1つです。
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