大駒を働かせない

2級への技法

町道場の駒落ち対局で、有段者の方に2枚落ちで指導していただきました。

2枚落ちとなると、4枚落ちや6枚落ちのようには、簡単に端を突破できません。そうは言っても、こちらとしては、なんとか飛車や角を成りこませたい。歩を進め、銀を繰り出し、桂馬も跳ね、飛車の配置を変え、あれこれ手を尽くしてみますが、どうにも突破できません。

相手の駒の動きを注意深く見てみると、たえず、こちらの大駒が働かないように駒を動かしてきます。角道は歩で塞がれ、飛車先は2枚以上でしっかり守られ、手が出ません。それでもなんとか風穴を開けたいと駒を動かしているうちに、こちらの配置や形勢が悪くなってしまいました。

そこまで局面が進んで、ふと気づいたのは、上手は自ら進んで攻撃する気がないんだな、ということです。ただひたすら、こちらの大駒を働かせないようにだけ注意しているのだと。飛車角を持っていない以上、無理に攻めても仕方がないと悟っているのだと。そうこうしている内に、下手が拙い駒運びをする。なんらかのミスをする。そこを突けばいい。そういう戦い方をしているんだなと思いました。

反対に、下手は、飛車や角でなんとか突破できるはずだと、やきもきする。平手の対局だったら指さないような無理繰りもする。相手がじっと待ち構えているところに、わざわざ罠にかかりにゆくようなものだったのです。

これは平手での対局にも当てはまることなのかもしれません。相手の大駒が働かないように細心の気を配る。それだけで形勢を有利に導く可能性があるということなのかもしれません。

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