迷走した陣形

5級への技法

最近の負けた対局を振り返ると、たいてい、しっかり名のついた囲いに組めていませんでした。自己流に組んだというより、対局の流れの中で、定番の囲いへの組み上がりができない状況になっていました。

どうして、そんな不安定な陣形に組んでしまったのかと言うと、主に3つのパターンがありました。

ひとつは、こちらが不用意に歩を突き出してしまい、その歩を守るために、金銀が定位置から上ずってしまったこと。

もうひとつは逆に、相手の歩をかっぱらえそうと欲張って駒を進めた結果、囲いが疎かになってしまったこと。

最後は、相手が飛車や角を見慣れない動きで使ってきて、それに合わせたり追いかけたりしているうちに、陣形が乱れてしまったこと。

いずれにしても、定番の囲いに組むことよりも、何か他の事を優先してしまっていたようです。臨機応変と言えば聞こえはよいですが、本当にその価値があったかというと、その後の結果を見れば明らかです。自滅したにせよ、翻弄されたにせよ、玉周りの堅さに比べれば意味のない序盤の争点でした。

目的なく迷走した陣形は、金銀がバラバラで、相手に駒を打ち込まれる隙も多い。安心して攻撃に目を転じられる余裕など、中盤以降もありません。

特に級位者のうちは、あれこれ考えず、まず名の通った囲いに組み上げる。本格的な攻めはそれからでも十分。相手がどう動こうと得意の囲いに組めば、それほど酷いことにはならない。そういう戦いの基本を反省している最近です。

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自己流で囲わない

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