2025年7月に読んでいる将棋の本は、佐藤慎一『史上最速の攻撃戦法 極限早繰り銀』(マイナビ出版、2018年)です。
私は、基本的に居飛車で戦います。攻めの選択肢を増やしたいと思い、本書を手に取りました。
私が、かじり知っている戦法というと、実は2つしかない、とある時気づきました。「棒銀」と「居角左美濃急戦」です。
棒銀は、対戦相手は皆、基本的な対策を知っているので、実践ではなかなか発動できません。
居角左美濃急戦は、諸刃の剣。上手く決まれば相手陣に大打撃ですが、もちろんそんなに上手くゆかない。そもそも桂馬を跳ねたり、意外と準備に要するので、急戦と呼ばれながらも仕掛けが始まりにくい感覚が私にはあります。
私は、どうも攻めるのがもたもたしていて、受けにまわりがち。とにかく短手数で攻め味を見せることができないかと、この極限早繰り銀に行き着きました。
極限早繰り銀は、ノーガードで攻める棒銀といったところでしょうか。あげくの果てには飛車を相手にタダで獲らせて、その間に相手陣の瓦解を狙う。右桂馬を使う必要性も無いほどに殺到する。なるほど、たしかにこれが決まれば、最速と言える攻撃戦法です。
実践ではそんな簡単に上手く運ばないでしょうが、速い攻めに自信のない私にとって、この真逆の攻撃姿勢には学ぶものが多かったです。犠牲を覚悟する戦い方。究極の目的は、相手玉を詰ますこと。そのために何を優先するのか、無駄な手をどれだけ省くのか。攻めの表現に「鋭い」という言葉がありますが、この極限早繰り銀の棋譜を並べていると、これが鋭い攻めという事かなと感じます。
【関連】