将棋の初段を目指す上達方法のひとつとして、強い人と対局するのが良い勉強になる、と聞きます。いくつかの書籍やブログで触れられていて、効果のある勉強方法なのだと思います。
初心者であれば、棋書等で基本的な囲いや手筋を学んだ方が、効率が良いと思います。私の経験では、8級くらいからは、強い人との対戦の中で、気づきを得られやすいように感じています。
ポイントとしては、自分より少しだけ強い人と戦うことだそうです。実力がかけ離れていると、まったく勝負にならず、手筋を参考にもできず、また、相手にとってもつまらない対局になりがちだからです。継続して対局し続けることも大事だそうです。勝敗が五分以上になるまで、練習相手になってもらうことです。
私もここ半年ほどは、自分より2つか3つ上の級の人と積極的に対局するようにしています。ネット対戦だと自動マッチングも多く好きに選べませんが、可能な限り、強い人との対戦を志向しています。
COM対戦では、強さのレベルを管理するのが簡単です。互角の勝敗にもってゆけず、なかなか敵わないレベルがちょうど良いようです。
自分より強い人との対戦では、やはり大きく負け越します。私の場合、最初は6回に1回勝てるかどうか。それが段々と勝てるようになり、半年経って、4回に1回勝てるかどうかです。負けることの方が多いので、対戦後はやはり落ち込みます。そういう精神面も含めて勉強なのかもしれません。くさらずに、しっかり感想戦をして、次に活かす修行ということです。
凡ミスは、もちろん敗着の一手です。実力差があるので、後から挽回できることは基本的にありません。また、自分で迷いながら指した手は、相手に響きません。次の相手の手番で、的確な手を打たれれば、そこから形勢が大きく傾くこともしばしばです。気を抜いた戦い方は決してできません。実力が同じくらいの相手であれば勝負を楽しもうの思いで戦えますが、格上の相手では一手間違えば即負勢との隣り合わせで戦う緊迫感があります。そうした対局中の気構えも勉強になるのだと思います。
序盤から読みをしっかり入れないと、良い勝負には持ち込めません。かといって、時間をかけてしまうのもよくない。時間管理、読みの速さへの緊張感も良い訓練になると思います。
私も超初心者ではないので、相手の一手一手に逐一驚いたりはしません。ただ、強い相手が醸し出す、攻守のバランス感覚、さりげなさそうで重要な仕掛け、終盤の速度感などは、対戦中にひしひしと感じます。具体的にどこかどうこうと指摘できないそのような息遣いこそが、一番勉強になるのかもしれません。これは棋譜並べでは得られないもので、実際に強い人と対戦する中でしか学べないように思っています。