私は将棋を覚えたてからずっと玉を囲うことはしてこなかったのですが、さらに強くなるためには、やっぱり囲うのが必要だなと思うようになりました。
玉を囲わなかった訳
私が玉を囲ってこなかった理由は、主に次の3つです。
- どんな囲いも完璧ではない。1度崩されれば、そう長くは持たない。
- 自陣に広く駒を配置した方が、相手が持ち駒を打つ隙がない
- 囲っている暇がない(急戦を持ち込まれることが多い)
2番目3番目の理由は、状況によっては、囲わない十分な理由になりますが、1番目はやっぱり初級者ですね。痛い目をみないと学ばない素人とも言えます。
決まった位置から崩される
ある時、負けた対戦をいくつか見直していたら、私は右側(3筋・4筋)を崩されることが多いと気づきました。だから自玉が中央にいると、それも囲っていないと、崩されたとたん、すぐピンチに陥ります。
だったら、初めから自玉を左に寄せておく、左側で囲っておいた方がよい。
自分で囲うことの意味・効果を納得できたというのが、玉を囲うことにした一番の理由です。
1回だけ持ちこたえてくれればいい
中終盤になって、攻めの手番をもてるかどうかは、とても大事です。
王手をかけられて、守りの一手を打ち、そこから防戦一方になってしまうのは、最悪の流れの1つです。特に、自分の方から攻め続けられれば勝てるのに、という局面だと悔しさ倍増です。
玉を囲っておけば、たいてい1回は相手の攻撃を受けることができる。囲いはもちろん崩れはじめてしまいますが、その代わり、こちらの攻めを続けることができる。
囲いを作るには5手10手と手間がかかることは普通ですが、そのおかげで中終盤において大事な1手を確保できる。守るために囲うのではなく、攻め続けるために囲う。
囲った方がやっぱり堅い
玉を囲っている相手と戦うと、たとえこちらが龍を作れても、相手玉はまだまだ遠いなあと感じます。
単なる金銀の連結ではなく、玉金銀と連結されているのが手強い。金銀だけでも固い布陣ですが、それに全方向に動ける玉も連結しているところが、一段上の守備力をもたらしています。広く弱い布陣とはちがう、囲いの囲いたる所以だと感じるようになったのです。
だったら自分もしっかり玉を囲っておけば、相手にそう印象付けることができる。相手の戦い方・攻め方に影響を与え、慎重にさせる効果がいくらかはある。
そんな風に思えるようになったのも、私が玉を囲うことにした理由です。
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