長沼洋『「駒取り坊主」長沼の中・終盤で差をつける 力戦次の一手205』

1級への技法

2024年5月に読んでいる本は、長沼洋『「駒取り坊主」長沼の中・終盤で差をつける 力戦次の一手205』(マイナビ出版、2018年)です。

本書は一年以上前から少しずつ読み進めています。実践からの出題で、かつ、「力戦」と称されているだけあって難問が多いと思います。読み始めた当初の私は5級くらいで、解答を見ても「こんな手が思いつくわけがない!」と思うことの方が多かったです。

それから時が経ち半分以上を読み進めて、最近ようやく正解率が上がってきました。

理由の1つは、7手以上先もいくらか読めるようになったからだと思います。

もう1つの理由は、いったん駒損してでも、局面を良くする方向を考えるようになったからだと思います。出題は、あくまでも中・終盤。駒の損得より速度であり、どれだけ形勢を有利に導けるか、相手玉に迫れるのか、そういった方向も考えることが必要です。駒得しようとか、自陣を突破されないよう守り抜こうとか、それも間違った考え方ではありません。ただ、将棋には、最終的に勝利するためには何が今一番大事か、そのためには何かを犠牲にすることもある。そういう観点からも戦局や次の一手を見ることが少しできるようになってきたからだと思います。

実戦では明快にこれが良い手と分からないことの方が普通だと思います。そういう混沌とした局面の中で、少しでも優れた手を指せることが棋力アップにつながるはずです。本書を引き続き読んで、その力を養いたいと思います。

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