高段者同士の戦いを『81Dojo』で見みました。一般的に、高段者とは、将棋アマ四段以上を指すようです。私の知っている将棋とはまったく異なる様相で、とてもびっくりしました。
YouTuberの将棋実況もいくつか見ていますが、『将棋ウォーズ』10分切れ負けが多く、短期決戦になりがちなのだと思います。対して『81Dojo』では、持ち時間が切れた後も秒読みの戦いがあり、将棋観が変わって来るのかもしれません。
さて『81Dojo』での高段者同士の戦いで気づいたことは、主に3つあります。
一つ目は、駒を捌き続けているという点です。どの駒もよく働き、連結も意識されていて、局面に応じて流動的です。たとえ飛車や角が追い詰められたとしても切るのを躊躇しない。場合によっては見捨てでも、他に有効な手を打つということさえします。攻めが途切れるのを嫌う、相手に手番が渡らないようにしている、とも言えるかもしれません。そして、駒を捌きつつも、大きく駒損はしない。駒の交換に収まるようバランスを取っている。
二つ目は、必ずしも、しっかり玉を囲う訳ではない点です。おそらく、一般的な矢倉や高美濃ではお互いに弱点を知り尽くしているので、あえて定型の囲いにはしない。薄い守りとなりますが、それでも巧みに相手に決定的な攻め口を与えないという印象です。初段から三段の方の戦いですと、玉をしっかり囲って、隙がない将棋を指すという印象です。綺麗な将棋を指すと言えるかもしれません。高段者はそんな綺麗な将棋では、定跡通りに決着がついてしまう。分かりやすい攻め口を与えてしまう。それが分かっているから、あえて定跡から外す。バランス重視の守りとはまた異なる意図かもしれません。
三つ目は、形勢が傾くのはやはり、歩やと金で駒を取った時、取られた時という点です。どこかで巧みな歩突きや歩打ちを繰り出し、その歩を取りたいが取れない。その歩が棘となって残り、その後どこかで効いてくる。大きな駒損が生まれてしまうと、逆転の余地はほぼ無い。その観点では、級位者も高段者も変わらないのかもしれません。
私のような級位者は、高段者の戦い方を真似しない方がよい、少なくとも今の段階では目指さない方が良いように思います。ですので、まずは、しっかり玉を囲う。中盤以降の定跡・仕掛けをたくさん覚える。これだけでかなり良い勝負ができるはず。新手や創造性を求める前に、まずは基本と定跡をしっかり身につける。
そして、常に盤面をよく見てミスをしないように心がける。攻めは大事だけれど、大駒を簡単に切ったりせず、歩やと金での攻めを重視する。そこは高段者を見習う。そんな方針が良いかもしれません。
【参考】