自陣を突破されないようにぎりぎりまで守り抜くという矛盾

3級への技法

最近、棋譜を解析していて、身に染みて思うことは、ここで攻めに転じていれば、まだまだ分からない勝負だったかもしれないなという事です。

私はもともと受けの棋風が強く、攻めか受けかの選択肢がある場合や、どの手が有力かよく分からない局面、あるいは、もう受けていてもしょうがない状況であっても、受けの手を選んでしまうことが多いです。なんとしても自陣を守り抜きたい。相手に突破されたら、もう終わりだ、という強迫観念があるかのようです。

けれど、将棋において、自陣整備にあけくれていては、到底勝てない、ということも日々益々感じています。それは、相手にどうぞ準備万端の総攻撃を仕掛けてください、それまで、こちらはどこからどう攻めれても大丈夫なように備えておきますから、というつもりなのかもしれませんが、そんな攻撃をくらって耐えられる囲いなど存在しません。守り抜くという姿勢こそが、かえって、相手の攻撃だけが成立し、いずれ自陣は瓦解するという構図にずっぽりはまっているように感じています。

船に穴が開いている。それも2つも3つも大きく開いている。そんな時には、どんなに入って来る水を船外にかき出そうと、開いた穴を塞ごうとしても、そう遠からず船は沈んでしまいます。それよりは体力のあるうちに、思い切って泳ぎ出し、別の助かる道をさぐった方がよい。

将棋の戦う姿勢というのも、もしかすると、そんなものかなと最近思うようになりました。いつまでも自陣の守りにかまうより、そろそろ持ちこたえられないかもなの時点か、その手前の時点で、攻めに手数と戦力を投入する。その方が結果として、自陣の安全と勝利に結びつく可能性がいくらか高い。

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