私は基本的に居飛車で戦います。
最近、後手番の時には、初手3四歩として角道を開けることも少なくありません。その流れ上、3三に角が上がります。その後で、雁木に組めなくはないのですが、私は雁木に少し苦手意識があります。銀が標的にされやすいと感じています。そこで、雁木には構えず、飛車を振って、振り飛車で戦うことも増えてきました。
普段は居飛車で戦うので、振り飛車に構えてみると、将棋について気づきを得られることがあります。ここ最近で感じたことは、次の3つです。
一つ目は、私は現在2級ですが、慣れない振り飛車で戦っても、3級以下の人に負けることはあまりありません。同じ2級の方とは少し分が悪いようにも感じますが、それほど開きを感じません。初段の方を相手に勝つこともありました。そういう観点からは、アマの級位者であれば、棋力と戦法とは、関係がそれほど高くないのかなという疑問になります。もちろん各戦法の知識・対策があった方が、いくらか勝ちやすい、負けにくいとも思いますが、どうも将棋の棋力の根底というのは、戦法とは別のところに大きな要素があるのかなという気が強くなりました。
二つ目は、飛車を取られることに、あまり恐怖を感じなくなったことです。囲いは、振り飛車の定番、美濃囲いに構えるので、横からの攻撃、飛車の横効きにはいくらか耐性がある。こちらの飛車が成り込めず隠居するくらいならば、相手の角と交換になっても構わない。場合によっては、銀や桂馬との交換でもいいや、くらいに思えるようになりました。その代わりに、形勢全体については配慮します。駒の損得では少しくらい損してもかまわないけれど、駒の働き、相手玉への脅威、と金の作りやすさ等々は、こちらがリードしている。そういう局面が見込めるならば、飛車の犠牲も厭わない。
三つ目は、居飛車の飛車というのは、取られにくいよなと改めて思いました。それに対して、振り飛車の飛車は、相手の飛車や角が向かってくる先にいますから、どうしたって戦いに巻き込まれやすい。ともすれば、標的にさえなってしまう。玉よりも危ない位置にいると言えます。対して、居飛車の飛車に向かってくる相手の駒は、初期配置では存在しない。脅威が存在しないので、居飛車の飛車は、基本的には攻めに専念できるということです。これが居飛車有利と言われる理由の1つかなと思ったりもしました。
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