『将棋ウォーズ』で4級になり、1級2級3級の方と対戦することが増えました。10局中1局しか勝てません。
初段手前の彼らは、強さの安定度がちがうように感じます。まったくではないけれど歯が立たない印象です。その特徴はどのようなものでしょうか。
まず囲う
初段手前の人たちは、まず玉を囲います。急戦をしかけてくる、奇襲戦法をねらってくることは、ほぼ無いように感じました。
5級以下だと、守りはそこそこで、急戦・奇襲・マイナー戦法を仕掛けてくる人も半分近くいるのかなの印象です。
初段手前の人たちは、序盤は定跡通りに指し、中盤以降で本格的に勝負といった考えでしょうか。当然、決められた手順で駒を進めますので、手堅い。序盤で大きく崩れることはありません。
駒の損得に敏感
初段手前の人たちは、なかなか横歩取りを許してくれません。歩1枚の損得さえ敏感だと言えます。
飛車先の歩交換もできないケースが増えてきました。
5級以下だと、半分以上は、横歩取りや歩交換が成立する印象でした。私としては、序盤から攻めの手掛かりがつかめない対局が多くなりました。
悪形を見逃さない
こちらはまだまだ素人同然ですから、序盤で時に、駒組みで悪形を成してしまいます。
初段手前の人たちは、それを見逃しはしません。すぐに悪形を攻め立ててきます。崩れ始めれば、竜や馬を作られてしまい、すぐに自玉の寄りへ。
序盤は、定跡通りに行けば静かですが、あくまでも1つのミスも許されない緊張感があると言えます。
選択できるなら、攻める
中盤以降、ここでしっかり守るか、あるいは、攻め始めるかの局面が現れます。
その際に、初段手前の人たちは、決まって攻めを選ぶような印象です。
私はどちらかと言うと守勢。「まだ攻め続けられないし、相手の拠点を今のうちに防いでおこう」といった一手を差しがちです。往々にして、そこから防戦一方になる。
彼らはそうではない。リスクは背負うけれど、ここで攻めなければ、ずっと守勢になってしまうと分かっているかのようです。だから攻めか守りかの選択ならば、まず攻めてくる。
寄せの形が見えている
初段手前の人たちが、いったん攻めのモードに入ると、そこからは止まりません。1手1手が的確で厳しい。あっと言う前に寄せられてしまいます。
上達するには、詰将棋をたくさん解くとよいと言いますが、初段手前の人たちはきっとものすごい数を取り組んできたのでしょう。こうすれば寄せられる、詰められるという形が見えているかのようです。
また、最後の攻めに転ずる前に、じっと1分2分考える人も少なくないです。こちらも劣勢になったのは分かっているので、次の1手から攻めたてられると思っているタイミングです。
相手はこちらを睨み据えて、どう仕留めるのか考えているのでしょう。もし攻めが途切れてしまえばカウンター・逆転の可能性が出てきてしまうので、確実に間違いなく詰ます、それを計算しているのだと思います。
飛角無くても寄せきる
初段手前の人たちは、飛車や角行を必要とあれば、躊躇なく切ってきます。
たとえば、銀と角を交換してこないだろうと、高を括っていると痛い目に会う。角を切って銀を得て、こちらの陣形を乱しつつ、その銀をすぐに活用する。盾にするなら歩でしっかり防いでおかないといけない。
本当に強い人となると、飛車も角行もいらない。と金と桂馬と金銀だけで寄せてきます。そう、まるで駒落ち対局で有段者に負かされる時のようです。
攻めの嗅覚が鋭い
総じて、初段手前の人たちは、攻めの嗅覚が鋭いと言えそうです。
猛犬のようにガンガンは来ませんが、じっと獲物を追い込み、狩りを進める狼のようです。いったん捕獲段階に入ったら、もう逃げられません。
攻めに対する感覚が鋭いので、相手がどう攻めたいのかも感じることができる。だから、相手の攻めが成りたたないように駒組みしてくる。相手の攻めは許さない、けれど、守りにも入らない。一歩も譲らず、どこからどう攻めるかだけで将棋を指している。私にはそんな印象です。
【参考】