将棋の級位者が、序盤で特に心掛けるべきこと

5級への技法

将棋の級位者が、序盤で特に心掛けるべきことを、私なりに5つにまとめてみたいと思います。

私は先々月からずいぶんと調子を落としていましたが、今月に入って序盤での注意点を意識したところ、戦績がいくらか戻ってきました。

一つ目は、自陣が整わないうちは、戦いを起こさないこと。場合によっては、開けた角道をいったん閉じるのもよい。飛車先をまったく突かないのもよい。金銀がしっかり連結されておらず、玉も囲われていないうちに戦いが始まってしまうと、すぐに致命的な局面になりがちです。将棋の序盤で勝つことはできません。序盤で心掛けるべきことは、負けにくい陣形を作ることだと思います。

二つ目は、上記と関連しますが、自玉を相手の角道から逸らしておくことです。初期の角は、移動できるマスが限られています。その線上から自玉が外れていれば、王手両取り等をくらう危険性が皆無です。

三つ目は、相手の銀を五段目に進出させないことです。それは次に棒銀の仕掛け、銀交換を狙うことができる位置だからです。相手の銀が進出していない限り、本格的な攻撃には発展しません。

四つ目は、攻め味を見せることです。先ほどまでの心掛けと矛盾するようですが、こちらからも攻めの姿勢を見せないと、相手はどんどん攻めの体制を進めるだけで済みます。その先に待っているのは、こちらだけが一方的に受け凌ぎ、相手が自分の好きなように攻め立てて来るという構図です。そんな将棋になってしまっては、さすがに勝てるはずもありません。こちらの攻めの手によって、相手に受けの手を指させる。その分だけ手数がかかるので、相手の攻めも遅れる。攻めと受けのバランスを上手くとることです。攻め方がよく分からなくても、どの筋でもかまいませんが、棒銀するぞという姿勢を見せることです。棒銀はシンプルな仕掛けですが、強力な攻めの手筋です。相手は必ずと言ってよいほど受けの手を指してきます。

五つ目は、端歩を受けるかどうかは、よく考えることです。序盤といえど一手一手が貴重です。相手が端歩を突いてきても、それに付き合うよりも、もっと大事な攻めの手や受けの手が自分の側にはあるかもしれません。それが無い事を確かめてから、端歩は受けて十分だと思います。相手は特に目論見も無く、単に様子見で端歩を突いてみただけかもしれません。端歩を受けず、こちらが好きな手を指すことができれば、先に手番を握ること、つまり自分からの攻めの方が一手速いということに持ち込めるかもしれません。

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