左美濃と構えの低さ

5級への技法

囲いの種類に、左美濃があると知ったのは、対振り飛車戦で苦戦していた時期でした。町道場の上手に教えていただきました。

振り飛車の代表的な囲い、美濃囲いは、早く構えられて、飛車の横効きに強い。居飛車の私には羨望をいだかせる囲いでした。そんな囲いが居飛車側にもあるなんて、と早速とびつきました。左美濃も、最短3手で完成する囲いです。攻め将棋にも励もう、急戦にも挑戦しようと思っていた私には、ちょうどよい囲いでした。

ただ、美濃囲いとちがって、左美濃は玉のコビンが開きがちです。角を使うために、7七の歩を進めることが多いからです。このために、玉を8八に移動するのを私は躊躇します。相手の居角のラインに入ってしまうからです。玉が7九でも囲いの中と言えば中ですが、完全な入城かと言うとそうでもない。この一路のちがいが、最終盤では響くことがあります。そして、玉が7九にいたままだと、相手からの7六の桂馬がものすごく恐ろしい。

どんな囲いにも弱点はあるものですが、敗戦が続くと、その囲いは敬遠するようになりがちです。私にとっての左美濃もそんな囲いになりました。

けれど、最近また、左美濃を採用することが増えてきました。

対振り飛車戦では、舟囲いを採用することが多いのですが、攻め合いになると脆さが出るように感じ始めたからです。舟囲いを差しこなすには、それ相応の棋力が必要だと今は感じています。

それに比べると、左美濃は、金銀の連結が基本に忠実で、私のような棋力でも扱いやすいように感じます。将棋で勝敗を大きく作用するのは、飛車が相手陣で暴れまわれるかどうかです。左美濃の強固な構えの低さによって、飛車の威力を大きく軽減できるのはありがたいです。

また、左美濃は、対居飛車戦でも採用できます。相手の戦型を問わず、使えるというのは、習熟するのには良いかもしれません。囲いはしばらくの間、左美濃中心で行こうかと考えてもいます。

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