私は最近、雁木に構えることが増えてきました。
最初は、好んで雁木に構えたわけではなく、後手番で、相手の居飛車の攻めを受けようと、角を3三に上がった後の流れで組みました。できれば矢倉で対応したかったところ、致し方なくといったところです。飛車先の歩交換を防ぐことには成功しましたが、相手が棒銀で攻めてくると、雁木では上手く受け止めることが難しいです。雁木調に組んだ後、手数をかけて、矢倉に組み直すことも少なくありませんでした。でも、それではもたもたし過ぎ。こちらが受ける一方になってしまいます。
そうこうするうち、雁木の良さにも気づきました。まずは、相手の桂馬が跳んで来る先に、こちらの銀はいない。桂馬に狙われて、銀が避ける一手が稼げます。
また、角行は、居角であれ7七(後手なら3三)であれ、敵陣への睨みを利かすことができる。手数をかけずに、角の攻撃力を活かせる布陣と言えます。
雁木は、バランスも重視されるようになった現代だから、再注目されたと聞いたことがあります。金銀が上手く連結していて、守備範囲も広い。角はもちろん、銀も攻めに使おうと思えば使える。ほど良く攻守にバランスのとれた構えだなと思います。
ただ、やはり、玉が薄い。囲いというより構えといった区分が私にはしっくりきます。少し受け間違えてしまうと、あっという間に潰されてしまいます。そこが矢倉や美濃、穴熊とはちがう。
雁木は、より堅い囲いへの発展性はほぼない。適度に相手の攻撃受け止め、そして、自分からの攻め味も見せてゆかないといけない。雁木を使いこなすには、優れた臨機応変の力が必要だなと思います。私の中で雁木の使用頻度は増えていますが、まだまだ難しい構えです。