北島忠雄『勝ちやすさNo1! 対振りなんでも居飛車穴熊』

5級への技法

2023年11月から読んでいる本は、北島忠雄『勝ちやすさNo1! 対振りなんでも居飛車穴熊』(マイナビ出版、2019年)です。

私には居飛車穴熊へのあこがれがあり、また、金銀のほとんどを使って守ったら少ない攻め駒でどうやって戦うのかにも興味があり、本書を購入しました。実は、本書を数カ月前に読み始めたところ、読むのを中断してしまいました。本書は、穴熊に組むための手順、序盤での定跡書といった印象がありました。自分の購入目的とはちがっていた面が大きかったのです。穴熊の囲い方は分かっているけど、攻撃面を知りたいのになあ、といった態度で、謙虚に素直になって読まなかったのです。

さて最近、囲いのバリエーションを増やそうと、穴熊に組もうとしてみたところ、実はなかなか組めないと気づきました。相手は警戒してくるし、急戦を仕掛けてくるし、一筋縄ではゆかない。完成された穴熊の駒の配置を知っているだけではだめだったのです。穴熊に組むまでの手順をしっかり身に着けておかなければ、そもそも扱えない囲いだったのです。それで慌てて本書を引っ張り出し、読み始めています。穴熊に関する棋書が、どうして初手から逐一解説しているのか、ようやく腑に落ちた次第です。

本書はそういう観点からは、私のような穴熊初心者には、ちょうど良い内容です。相手の戦型をひととおりカバーしていて、序盤での細心の注意点を教えてくれている。仕掛けの筋もボリュームは少ないですが掲載されています。私にとっては、たとえ穴熊に組めなくても、序盤の勉強にもなって読み甲斐があります。

それにしても、穴熊に関する棋書は多いですね。なぜにこんなにも存在するのでしょうか。似たような内容だと見受けられるのに、プロもアマも年々出版しつづけています。将棋指しを引き付けてやまない何かがあるのだと思います。

タイトルとURLをコピーしました