勝手読み、読み抜け

3級への技法

最近の対局で、どうにもこうにも防ぎようがないと思えるのが、勝手読みと読み抜けです。

勝手読みは、相手がいくつかある候補手のうち、次にこう指すだろうなと読んでいたところ、相手が別の手を指してくること。自分の目論見や願望が混じってしまい、正しく推論できないこと。よくあるのは、ぶつけた駒を相手が取ってくれるはずと思っていたところ、取ってくれない。あるいは、相手が受けてくるはずと思っていたところ、攻め合いに転じてきた、といったケースです。

読み抜けは、それに近いですが、そもそも読みにすら入っていない効果的な手を相手が指してくること。広く言えば、うっかり王手飛車取りをくらってしまったとか、銀ばさみに嵌ってしまったとか等も入るでしょうが、それよりはもっと高度な手、妙手と言える手を相手が指してくるケースです。

勝手読みと読み抜けは、単に私の棋力が低い、読みの力が弱いということでしょうが、気をつけようとか、自重しようとか、そういうことが効かない類の事柄に思えます。たとえば、無理攻めは、なんとなく自分でも分かっているので、取り止めることはできる。でも、勝手読みと読み抜けは、なかなかそうはゆかない。意識できないから無意識なのに、その無意識を意識しようとしている、といった感じでしょうか。将棋においても、いつだって一番の難敵は、自分自身の癖や愚かさだと思えます。

できることと言えば、単に手を読む。自分の思惑をできるだけ排除する。それができないなら、できるだけ多くの手を読むこと。自分の手も考える、相手の手も考える。それぞれ、攻めの手、受けの手の両方を読む。攻めて受けて攻めて受けての交互のパターンも読む。盤面だけでなく、互いの持駒を見て、もし使うならと想像してみる。将来手に入りそうな駒を想定する。

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