将棋で、攻めに使いやすい駒と言えば、飛車と銀だと思いますが、角も使えるようになると、棋風に躍動感が出るように感じています。
斜めの機動力
角行は、とても強力な駒ですが、飛車と比べると一段下に見られます。実際そういう面があると思います。斜めだけに動くというのは、意外に使いづらいというか、慣れが必要だなと思います。
ただ、角の機動力は、飛車を上回るように思います。たとえば、飛車が右上のマスに移動しようとすると、右1・上1と2回動かさなければなりません。けれど角なら1手で、右上にゆくことができます。
私も最初、ぜんぜん角が使えていなくて、でも練習しないといけないなと教わり、試しに飛車や銀は動かさず、角だけどんどん動かしてみました。そうしてみたところ、その機動力にびっくりです。こんなにびゅんびゅんマスを変えることができるなんて。相手は歩を突いてきて、こちらの角の動きをとがめてきますが、それもさっさっ、とかわすことができました。
最終的には、自陣の歩を開けて、角を匿うことになりますが、この動きの爽快感を知ってからは、角が好きになりました。飛車・角行の交換もそれほど嫌ではなくなりました。
狙いの変化
飛車は、狙い筋を変えようとすると(横にずれようとすると)、その直線上に駒が1つでもあっては上手くゆきません。けれど、一直線上に駒が1つも並んでいないということは、戦いが始まれば、なかなかない。飛車は、最初に決めた位置から、動きずらいように思います。
けれど角の場合には、駒1つ動かすだけで、すっと斜めの線が通ることがあります。ダイナミックな位置替えができるのが角の魅力の1つだと思います。
将棋で、最初に狙った筋・場所が手強そうだというのは、よくあることで、それなら角の配置を変えて、局面に変化をもたらすという選択ができるようになります。
2方向の睨み
飛車は主に、前方のみ攻撃が向いています。横効きもありますが、どちらかと言えば、防御の面が大きいです。つまり飛車は1方向だけ警戒すればよい。
けれど、角の場合には、斜め2方向に攻撃が効いています。これは飛車には無い特性だと思います。とりわけ中央付近に角が位置していると、どちらが角の狙い筋か分かりづらい。相手は迂闊に踏み込めない・攻めがたいとも感じてくれているはずです。
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