馬は、強力な駒ですが、竜と比べると使いづらい印象があります。私も、自分から寄せる時も、あるいは、相手から寄せられる時も、竜の方が強力だと感じます。
対局の中では、飛車を切って角行を手に入れることがあります。相手はまさか交換はしてこないだろうと思っていることが多く、意図的に交換してみると、有利な局面に導けることがあります。
さて、手に入れた角を相手陣に打ち放ち、首尾よく馬を作れたとします。どうしたら馬を上手く使えるだろうかと最近考えるようになりました。
馬は、斜め方向に遠くまで効きます。この斜めラインを意識して使うのはもちろんですが、私が気づいたのは、その斜めのラインが囲う範囲、三角形の面積を意識するのがコツではないかということです。
相手の玉頭に、馬が位置すると、強力な頭金の状況になります。これが基本。相手玉から近い位置ほどもちろん良いのですが、少し離れても馬の前面に広がる三角形の範囲から、相手玉はなかなか逃げ出せません。
馬が下段に位置していた場合には、馬の斜め効きと盤面横と下段を結んだ範囲が、直角三角形。この中に相手玉が入っていれば、頭金と同じく逃げ出すことが難しい。馬を中央に動かして斜めのラインを変えるのも手ですが、下段にいたままひたひたと横に動き、その直角三角形の範囲を狭めてゆけば、詰めまで迫れることができます。
角行の時とちがって、龍馬であれば縦にも横にも1マス動くことができる。三角形の範囲をかなり自由に設定できます。
竜は、横効きがあるので、敵陣内で相手玉を直接狙うことができます。そういう当て方は馬では難しいのですが、効きが及ぶ三角の範囲内において、馬はかなりの支配力を持つ。この三角形の包囲網を意識して上手くコントロールすることが、馬を使うコツなのかなと最近思っています。
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