将棋で4枚の攻めは切れない、というのはよく聞きます。
私は初級者の頃、角も桂馬も上手く使えなかったので、飛車と銀の2枚の攻めで途切れがちでした。どうしたら攻めに4枚も集めることができるか、よく分かっていませんでした。普通は守備にあたる金や銀も繰り出して、足して4枚にしようかとも考えていました。それはさすがに危険な攻め方です。
その時に、ふと気づいたのは、もし相手陣に成りこめれば、桂馬や香車を拾えるじゃないか、それを戦力にできればよい、ということです。攻め駒を現地調達するという考え方です。もちろん、最初は飛車と銀の2枚の攻めなので、敵陣突破ということは基本的にはできないのですが、相手が同じ初級者であれば時々は成功し、攻めながら駒を補充できました。そういう局面に持ち込めれば、後は、戦力差が開くばかり、明らかな勝勢になります。
駒を現地調達するという観点は、初級者の頃に気が付いたことですが、終盤力の基礎をつけたいと思っている現在においても、間違った考え方ではないなと思います。
むしろ、どの駒を手に入れられそうなのか、代わりに失う駒は何か、守備駒が欠けた相手の陣形はどうなるか、その局面から寄せまであるのか等を、緻密に読む力を上げることが大事だろうなと思います。単に敵陣突破することを目標とするのではなく、それを一過程として、そこから先まで読む力を身につける。
そういう力が養われて来れば、たとえ2枚や3枚の攻めでも、後々の戦力補充を見込んで戦うことができる。攻め駒が4枚準備できるまで待つことなく、素早く攻めることができる。急戦調でも戦う力がつく。速く鋭い寄せに結びつく。そんな風に最近思い始めました。
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