七段の歩は盾に矛に

三段への技法

『将棋ウォーズ』の対局で、七段の方と当たりました。

10分切れ負けで私は二段。昇段も見えてきていたので、組み合わせ上ありえる範囲かなと思いつつ、手合い違いで勝てないだろうを覚悟。

私は1級だった時に、五段の方と対戦したことがあります。角換わりの対戦となって、私が僅かに見せた隙を相手の方は逃さず突いてきて、負けました。

だから七段の方との対戦で、まず意識したのは隙を見せないこと。慎重に駒組みをして、無理攻めをせず、でも攻め味も忘れない。

今の自分の力でやるだけやってみよう。

ところが本当にまったく何もできずに負けました。大勢が決するまでに、七段の方が積極的に動かしたのは歩だけ。

私の攻め駒が進出できないよう、歩が盾となって予め備えている。

相手が歩を捨てて来くるタイミングも絶妙。もし取れば嫌味な垂れ歩を作ることができ、取らなければそのままこちらの陣地前に矛となって突き刺さる。

級位者の時に味わった、6枚落ちで上手が攻め上がって来る様に近い。お前には歩だけで十分だ。そう子供のようにあしらわれている。

中盤の入り口になった時点で、たいして駒のやり取りはなされていないが、なぜかこちらは相当に苦しい。飛車も角もまだある。駒損さえしていない。しかし、後はどれだけ長く受け凌ぐかだけの対局になっている。もちろん、その後も相手には鋭い手が続く。

五段の方と対戦した時は、剣豪のような雰囲気を感じました。相手が確かにそこにいて、時に鋭く、時に力強い一振りを放ってくる。

今回、七段の方と対戦した時は、相手の顔も姿も見えませんでした。逆にこちらの頭の中は相手に筒抜け。ホラー映画で、町全体を覆う何か得体の知れない黒い物に、人々が徐々に徐々に追い詰められてゆくような感覚でした。

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