相手の攻撃を未然に防いでおく手が、将棋には大事だなと最近つとに感じます。特に序盤ではそうです。
たとえば、相手の銀の進出を防ぐため、歩を突いておく。
両取りの桂をくらわないよう、駒の配置を変えておく。
今は角交換しても不利になるので、角道を再度ふさいでおく。
桂頭狙いに対処するため、飛車を浮いておく。
王手両取りにならないよう、自玉の位置をずらす。
相手の攻撃が始まる前に、というか、始まらないよう備えておく。自陣近くで相手の攻撃を全力で受け止めるよりも、その方が簡単で危険が少ない。
将棋が上手くなればなるほど、そういう手が増えるものだと聞いたことがあります。自分の指したい手を指すのではなく、相手の目論見が実現しないような手を指す。
対戦中に自分で指したい手をどれだけ指せるでしょうか。手番3回のうち1回くらい自分のやりたい手を指せる、攻めの手を打てれば良い方でしょうか。いや、もっと少なく、5回7回のうち1回かもしれません。
そんな風に将棋を指せれば、隙がない序盤、駒組みを進めることができそうです。
ただ、今の私にとっては、守りと攻めのバランスも悩みです。
相手の手を消すことに専念し過ぎてしまうと、単に守りの将棋になってしまわないか。日常の中で忙しくて、本当にやりたい事ができない、のような事に、将棋でなってしまわないか。
私の経験では、相手をずっと警戒したり、付き合って守ったりばかりでは、やはり完全な守勢になってしまいます。相手の攻撃を和らげ、かつ、自分の攻めにもなっている。そんな両面の手があるものでしょうか。そんな手はきっとなかなかないはずです。どこかで見切りをつけ、踏み込んで攻めの手も見せなければなりません。相手の手を消す大事さも以前より少し分かってきたので、なおさらに、攻撃とのバランス、タイミングが難しいなと、最近悩んでいます。
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