感覚を研ぎ澄ましてゆく

2級への技法

将棋の初心者だった頃は、毎日のように、新しい技や駒の使い方の発見がありました。いくらか上達した最近では、具体的な手筋を覚えるということは減りました。それよりは、戦いの中での感覚、気配、呼吸、間合い、嗅覚、視点、大局観、勝負勘、バランス、タイミングといったものを毎日少しずつ学んでいるような気がしています。強い人との対戦では、相手の一手一手に、只ならぬ強さを感じます。感じられるようになっただけ、いくらか上達しているのかもしれません。

これらは抽象的なものですが、初段の壁を突破するには、核心的に必要なものではないか、という気がしています。たくさんの対局や感想戦をする中で、自然に磨かれてゆくのだろうと思っていますが、それだけでしっかり身につくのかは、少し不安があります。初心者の頃は、1つの手筋を覚えると、それだけで棋力が10点上がるとします。感覚を磨くというのは、たとえ上昇しても1点だけ。しかも、それを掴めるかどうかも定かではない。棋書にも書いていない。自分で体得するしかない。そんな気がしています。

序盤は、入門書や定跡書で力を身に付けやすいと思っています。

終盤は、詰将棋で地力をつけやすいと思っています。

中盤、特にその入り口やねじり合いの中で、優れた戦いの感覚があるかどうかが問われる気がしています。互角の形勢を、互角のまま保てるかどうか、優勢に導けるかどうか、その勝負の分岐の瞬間で発揮される力です。そういった感覚的なものを、具体的な形に落とし込んでゆく、言語化してゆく力が必要だなと思っています。どうしたらそれは実現できるでしょうか。今の私にとっての課題です。

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