相手に竜や馬を作られると、局面はいよいよ厳しくなり、そう遠くないうちに自玉を詰まされてしまうことが多いです。
どうしてそうなのかと改めて考えてみると、竜と馬は、その機動力を活かして、玉を追いかけてくるからです。
もし相手が金銀だけで迫ってきても、金銀は1マスずつしか進めないので、玉の逃げるスピードと一緒。持駒に4枚5枚とあれば追い詰めることができるかもしれませんが、たいていはそんなことはなく、追いつくことはできません。
ですが、竜や馬が相手ではそうはゆきません。たとえ玉が広い方に逃げようとしても、ぐんと差を縮めてきたり、効きの筋や段を大きく変えてくることができます。竜や馬が恐ろしいのはその効きの範囲もありますが、攻撃の支点を変えられるという点です。
相手に簡単に竜や馬を作らせてはいけない。それですぐに将棋が終わってしまうわけではありませんが、そのくらいの感度で戦った方が安全かもしれません。