将棋は、逆転のゲームなのか

2級への技法

将棋は逆転のゲームと言われることがありますが、それは本当でしょうか。私は初心者の頃から、ずっと不思議に思っていました。

アマチュア同士の対戦だから、見逃しやうっかりがあって、それが逆転につながることが多いのだろう、だから、将棋は逆転のゲームと言われるのだろうな、と思っていました。

けれど最近、AIでの棋譜解析をするようになって、考えを改めました。本当にたった一手の違いだけで、優劣が大きく入れ替わるのです。評価値が目まぐるしく変化するのです。歩突きひとつで、序盤では数十点の変動だったものが、終盤では数百点も変動させることがあります。最善手以外はすべて悪手で、勝勢だったものが敗勢になることもあります。

どうしてそんな事が起こるのだろうかと言うと、要因のひとつには、将棋は相手より一手でも早く玉を詰ませればよいからだと思います。竜や馬を切っても勝てばよい。自玉の守りを無視してもよい。相手が優勢でも、速攻で攻め倒せばよい。たった一手だけ速ければよい。

そして、終盤になればなるほど、互いの囲いは薄くなる。王手がかかりやすい。持駒は増え、そして、駒を打ち付ける隙も多い。攻防手も生まれやすい。実力や形勢が拮抗すればするほど、一手の重みが増すだからだと思います。

たとえ、中盤まで優勢でも、逆転される可能性が大いにあるのが将棋。最後まで優勢を手放さないコツも学びたいと、最近改めて思っています。

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