2025年2月に読んでいる将棋の本は、日本将棋連盟書籍編集部(編)『藤井聡太の鬼手 デビューから平成30年度まで』(マイナビ出版、2019年)です。
最近は将棋のまとまった勉強時間を取ることができず、隙間時間に次の一手本を読もうと思い、本書を手に取りました。攻めの鋭さ、視点の広さ、攻防手の閃き等を学びたい、という思いもあります。
私が将棋を始めたのは、藤井聡太ブーム(2017年頃)とはまったく関係がなく、それより後のことで、当時の藤井先生の話題はほとんど知りません。少しだけ将棋を覚えた今、本書に収められた次の一手を見ると、どうして将棋界が湧き上がったのかその理由が分かります。藤井先生の次の一手は、私にはもちろん思いもつきませんが、その手を見ると、華麗かつ凄いということは伝わってくるのです。他の誰もその手を思いつかないかもしれないが、将棋指しなら誰でも分かる、その手の価値。これは見る者、知る者を魅了する将棋だと私も確かに思いました。
次の一手本は、系統だった勉強ができない傾向があるなと思っていましたが、本書は手に取ってよかったです。本書のまえがきに、藤井将棋は「優勢な将棋は徐々にリードを広げ、収束は最速を目指す。苦しい将棋ではアッと驚く勝負手で逆転を引き寄せる。」とありますが、言い得て妙。本書におさめられた次の一手はその珠玉集となっています。