どうやって攻めたらよいか、其の三

8級への技法

将棋の初心者を脱してきた私でしたが、依然として、どうやって攻めたらよいのか悩み続けていました。

最初に思いついた攻めの方針は「相手玉を直接ねらう」「龍を作る」「相手飛車をねらう」の3つです。

次に考えた攻めの方針は「駒得をめざす」「歩を捨てる」「駒を全体的に押し上げる」です。

どれもそれほど的外れではないような気がしますが、具体的にどう成し遂げていったらよいか、有効な攻めにつなげるにはどうしたらよいかは、なかなか思いつきませんでした。

そこで、さらに考えた攻めの方針は次の3つです。

  • 無理攻めしない
  • 持ち駒2つ
  • 駒を現地調達する

無理攻めしない

自分から攻めの糸口が思いつかなった場合、攻めることは止めました。ひたすら自陣の整備です。

これではもはや攻めの方針ではありませんが、構想なく攻めて、自分から崩してしまうよりはましだ、ということです。相手にしびれを切らせ、無理攻めを誘うこともできるかもしれません。後出しジャンケンのようであまり好ましくはないかもしれませんが、そこは開き直って打つしかないと思うようになりました。

こちらに攻め気が無さすぎると、相手の総攻撃を呼び込むだけなので、歩交換や端攻めの準備は進めます。出来上がった陣形を組み替え、なんとか相手の隙を伺います。

それでも、こちらが守勢一方になるかもしれませんが、少なくとも私の棋風にはあっていたようでした。仮に負けても、下手な負け方はせず、戦って戦ってそれでも負けた感がありました。

持ち駒2つ

こうして私の棋風は、まずは受けるということが定着してゆきます。少しずつですが、受け・凌ぎの技術を磨いてゆくことにもつながりました。

上手く守れれば、相手の攻撃がいったん止まって、こちらに持ち駒が2つ手に入ります。角と銀、桂馬が多いでしょうか。

持ち駒1つでは、相手陣に打ち込んでも、なかなか攻めがつながりません。

たとえば角交換はわりと行われますが、その角を敵陣に打って、馬を作れるとします。その馬を自陣側に引いてしまっては、馬を作れただけ。いくらか優勢にはなりますが、さらに攻め続けられるかと言うとそうでもない。

銀交換もそう。銀単騎では相手陣地で果たせることは限られてきます。

けれど、持ち駒が2つあれば、敵陣内で連携させて攻め続けられることが増えると思います。

だから持ち駒を1つ得た時は、じっと我慢。さらに駒交換ができれば、持ち駒が2つ。反撃のチャンスがめぐってきます。

もちろん、その時、相手も持ち駒が2つ以上となっていることが多く、必ずしも、こちらに攻めの手番が回ってくるとは限りません。また、強い相手であれば、持ち駒1つの状況でも巧い攻めを展開してきます。どのタイミングまで力を蓄えるべきかは、悩ましいです。

駒を現地調達する

攻め駒は4枚あると、攻めを途切れずに続けられると言います。

けれど、どうしたって持ち駒にできるのは2枚が限界だなというのが、最初の頃の私の思いです。これ以上、力を貯めこもうとしても、逆に、盤上の駒が少なくなり劣勢に傾きそう。かといって、自陣の金銀を繰り上げていっては手薄になりすぎ。どうやって攻め駒4枚を実現したらよいか、よく分かりませんでした。

ところが、持ち駒を相手陣に打ち放つチャンスがあると、桂馬や香車が手に入ったりします。そうか、新たな戦力は、敵陣で入手すればよいのかと気づいた瞬間でした。攻め駒が4枚になるまで待つ必要はなかったのです。拾える駒が盤上に落ちていると積極的に見てゆくのです。これで、持ち駒2枚と入手した1枚で、攻め駒が3枚。相手駒を奪うことで、相手の防御力も下がります。一石二鳥の効果です。

仮に相手駒を入手できなくても、敵陣への侵入口を作れれば、龍を作れたり、と金を作れたりもできます。そうすればやはり攻め駒3枚。

そして、攻め駒が3枚あると、攻めに厚みができ、バリエーションも増える。相手駒をさらに入手するチャンスも増える。攻め駒が4枚以上あれば、相手陣は雪崩を打ったように崩壊する。まさに、自分が攻め崩されて負けてゆく様子を逆にしたようでした。

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