私は、将棋初心者の頃から攻め方が分からず、相手の攻撃を受けてばかりいました。1年以上そのスタイルで、守りの技術は少しずつ上達してゆきましたが、その限界も感じ始めました。最近になって、自分から攻める方法も勉強しています。攻め将棋はまだまだ未熟ですが、それでも、両方のスタイルを比較してみると、やはり将棋は自分から攻めていった方が良いと実感しています。別の言い方をすると、受け将棋は不利だと断言できます。
どうして不利かというと、3つの理由があるように思います。
1つ目は、受けにミスは許されないということ。一手受け間違うだけで、自陣が崩壊し、自玉を詰まされてしまう可能性があります。対して、攻撃する側に、間違いの手というものは無く、緩い手や拙い手で済みます。もちろん、そんな手を指せば、手痛い反撃が待っているでしょうが、攻撃したその瞬間から詰み筋にはなりません。相手の反撃を受けるなかで、再び攻撃するチャンスもあるはずです。
2つ目は、自陣の受けは、基本的に1巡だけしか効果的ではないということ。どんな堅陣も、相手の攻撃を受ける中で少しずつ形を変えてゆき、もし相手の攻めが途切れないならば、いずれ決定的な急所が生じてしまいます。特に歩・香車・桂馬は、前方にしか進めず、再度の防御にはなかなか役立ちません。
3つ目は、守りには、基本的に金銀しか有効的に働かないということ。対して、攻撃側は玉以外のすべての駒を投入することが可能です。飛角銀の他に、歩香桂も組み合わせてくると、こちらの金銀だけではなかなか受けきれなくなります。さらに、攻撃側は、と金・成駒を作ることもできます。より強い駒に変身して、守りの金銀と対等以上に戦い始めます。そうなれば、戦力差はどんどん拡大してゆきます。
理屈の上で、受け将棋はどうしたって不利です。上手く受けきる技術を磨くよりも、力強い攻めを向上させてゆく方が、長期的に見て、将棋が強くなる気が今はしています。
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