最近の対局で、必至をかけたところから、逆王手をくらい続けて負けた対局がありました。
安全に勝とうという気はなかったのですが、王手王手で迫る詰みまで読み切れなかったので、必至をかけました。相手はそれが必至だと分かったらしく、数十秒間考えた後、こちらに王手をかけてきました。王手をしっかり逃れてゆけば大丈夫だと思っていたのですが、連続してそのやり取りをするうちに、逃れ間違いから王手両取りをくらって、こちらで掛けた必至が解除されてしまいました。相手の方から見ると、詰めろ逃れろの詰めろをかけ、絶妙な攻防手を放つことができた、ということだと思います。
自分では必至なので絶対に解除はできないと思い込んでいましたが、逆王手をくらう中では解除される可能性があったのでした。そういう可能性があるのだと思いもついていないのが敗因でした。あるいは、必至だと思っていたものは、部分的な必至、単なる寄せに過ぎなかったとも言えます。
その対局で悔いが残るのは、時間的にはまだ少し余裕があったことです。ある意味、必至に逃げてしまう前に、ぎりぎりのぎりぎりまで詰めろを考えてみるべきでした。相手玉を追い詰めていて、詰みか必至かを考えるくらいでしたから、まさか負けるわけがなない、逆転されるわけがない、という態度の甘さが出てしまいました。これが勝つか負けるかの分かれ目だという緊迫感や覚悟といったものが足りなかったと言えそうです。
難しい詰みより易しい必至とは言いますが、易しい必至を安易に採用できるほど勝負は甘くはない。初段を目指すには、難しい詰みもしっかり読み切るのが大事ということを思い知りました。
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