増田康宏『堅陣で圧勝! 対振り銀冠穴熊』

2級への技法

2024年9月に読んでいる将棋の本は、増田康宏『堅陣で圧勝! 対振り銀冠穴熊』(マイナビ出版、2017年)です。

私はどうやら持久戦が向いているらしいと先月に分かったので、より堅い囲いを目指そう、どうせなら穴熊だ、と本書を手に取りました。穴熊は、初級者の頃に試してみたことがありますが、そもそも組み上げらないうちに強襲されてしまうことがほとんどで、私の中では封印していました。

本書のポイントは、「穴熊に囲ってから銀冠穴熊への発展」あるいは「左美濃に囲ってから銀冠穴熊への発展」ではなく、「始めから銀冠穴熊を目指す」という点にあります。手順の僅かな違いですが、手数のかかる銀冠穴熊を、できるだけ安全かつ効率良く組み上げる手順を解説しています。

実際に試してみたところ、私の場合、まず穴熊に組むより、わりとスムーズに銀冠穴熊に組めました。単純な穴熊にさえろくに組めなかった私でも、超堅牢な銀冠穴熊に組めてしまうなんて、思わずガッツポーズしたい気分でした。

どうしてなのかなと自分なりに振り返ってみると、駒組みの手順が穴熊とも左美濃ともちがう。当然、舟囲いとも異なる。対戦相手からすると、こちらはどんな駒組みを進めているのか分かりづらいからではないか、と思います。しかも角道はオープンにしたままなので、もし途中で開戦となっても、それなりの攻撃力を保っています。

将棋は、僅かな手順の違いが、工夫となり、作戦勝ちにもつながる。そんな事も改めて思い知りました。

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