最近、棋譜解析していて最も驚いたことは、相手が飛車を成り込んで来て龍王を作ったところ、評価値がプラス4000点以上されていたことです。
その直前まで、こちらが優勢で攻め立てていました。評価値で700点ほどです。相手の龍成りを防ぐか、攻め合うかの局面があり、攻め合っても十分勝てるはずと思い込んでいたところ、龍成りで逆転。一気にこちらが敗勢になりました。評価値で言えば、マイナス3000点以上になってしまいました。
それまで私の中では、飛車が竜に成るで、評価値がプラス1000点か1500点ほどという認識でした。こちらの優勢具合は1000点前後だろうな、だから、もし相手に竜を作られてもまだ五分五分か少し悪いくらいにしかならないはず。攻め合った方が一瞬苦しくなっても、こちらの方が早く寄せられるはずだ、という見込みで手を選びました。ところがそうではなかった。
単に竜になるだけならば、平均的には評価値は1000点前後なのかもしれません。けれど、もちろん、駒の配置や持ち駒の種類によって、形勢に与える影響は変わってくる。その当たり前のことをしっかり考慮していなかった。そして、その変わり具合が、振り幅が、龍王の場合はとてつもなく大きい。龍王の力は、一気に勝負を決めてしまうほど絶大だと身に沁みました。
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