2024年11月に読了した将棋の本は、藤井猛『四間飛車上達法』(浅川書房、2017年)です。
私は居飛車で戦いますが、まさか自分が振り飛車の棋書を読むなんて思いもしませんでした。
どうして本書を手に取ったかと言うと、相手が右四間飛車でガンガン強引に攻めて来た時の対策として、四間飛車に構えることがあるからです。応急策ですが、以前よりは右四間飛車への苦手意識が薄れました。
ただ、振り飛車の経験がほとんどない私にとって、これはこれで難しい。相手が棒銀に変えてきたときにどうするのか。角は相手の右桂馬によって邪魔されやすく悩ましい。四間飛車側からどう攻めたらよいのか、その後の展開の仕方も分かりません。いつもは守備の左銀の動かし方に至っては、とんと分かりません。
以前、藤井先生の著作『藤井猛の攻めの基本戦略』を読んだことがあり、とても分かりやすく親しみやすかったという感想をいだきました。それならば今回、四間飛車の大家でもある藤井猛先生を頼ることにしました。
思った通り、本書『四間飛車上達法』もとても読みやすい。四間飛車の基本的な駒組みから仕掛け、あるいは終盤術まで一通りカバーしています。一手一手の意味と効果を初級者でも分かる語り口で綴ってくれているのはさすが。私にとっては特に、左金は、攻めにも受けにも状況に応じて使ってよい、という教えは、とても新鮮でした。
まえがきに「四間飛車を学び、上達する、ということにとどまらず、四間飛車を通して、将棋の序盤中盤終盤を理解し、上達する」とあり、将棋理論としても本書は意欲作になっていると思います。
「振り飛車戦法は『美濃囲い戦法』と呼んでもいい」
「居飛車は、攻めるのか、固めるのか、はっきり決めたほうがいい」
「攻めるとは交換して持ち駒を増やすということ」
などなど、藤井先生独特の感覚を披露してくれていてます。振り飛車や右四間飛車対策を抜きにしても、私にとって繰り返し読んでみたい将棋本となりました。
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