最近、詰めろを見逃して、逆転負けをしてしまう将棋が続きました。
感想戦をしていて「あっ、即詰みで、勝っていたじゃないか」と気づくのは、悔しいものです。
中盤で本格的な戦いが始まり、駒のやり取りが行われます。そこが主戦場なので、譲れない、負けられない。なんとかこの局面を制圧したいという意識が強くなります。ここをおさえられれば勝てるという感覚です。
ところが、局地的な戦いに夢中になるばかり、詰めろがまったく意識に上がらない。
実際は、すでに勝勢どころか、次に相手玉に詰めろをかければ、簡単な3手詰め、5手詰め、あるいは1手必至で勝利をおさめる状況になっている。詰めろがあると考えだせば、私でも分かる局面なのです。中盤から一気に最終盤に突入していたのです。
詰め方が分からない、ではなく、そもそも、詰めろが意識に上がっていない、という事柄です。
だから、さらに駒得を目指したり、狙われている駒を逃げたり、自玉の防御を固めたり、という手を指してしまう。そのうちに詰めろが解除される。そして、相手も戦いの中で持ち駒を得ており、逆に攻勢をくらってしまい、そこから負けてしまう。
思えば私も、相手が簡単な詰めろを見逃して、自玉を安全にし逆転勝利をつかむことがあります。なんで相手は詰みを見逃すのだろうと不思議でしたが、相手からすると、この優勢な局面をこのまま押し切れば勝てるというくらいの感覚なのかもしれません。詰み筋が見えていないのです。
将棋は、玉を詰ますゲームです。駒得を目指したり、盤面を制圧したりも大事な道順ですが、詰めろがあるかどうかをまず見てみる。形勢判断の優劣ではなく、詰みが存在するかどうか、そちらの方が大事なのだと、最近身に染みています。
【関連】