私は居飛車で戦いますが、最近、4五桂が気になって仕方ありません。
以前から、4五桂は、複数の戦法書に共通して出てくる、仕掛けの手順だなと思っていました。将棋にはたくさんの戦法が存在しますが、これほどキーとなる駒と配置は他にあるだろうか。仮に桂損となっても局面を有利に導くことも少なくない。そんな風に強く思うようになりました。
どうしたら4五桂が効果的に成立するのでしょうか。
なぜ4五桂が迫力ある攻めには必要なのでしょうか。
前者の疑問は、局面による、という答えになるでしょう。相手の陣形、こちらの攻め駒の配置、持ち駒の有無などなど。3筋の歩を先に突き捨てておくべきかどうか、他の筋の歩もついでに突いておくべきかどうか。様々な要素がからみあいます。単純化できる基準があるかもしれないので、今後、一度、自分の中で条件を整理しておきたいなと思います。
後者の疑問が、私にとって不思議で魅惑的でなりません。
一般的な答えとしては、桂馬の効きはマスや駒を飛び越える。最短三手で相手陣に効きが届く。相手の守備の要、3三の地点にいる相手駒にアプローチをかけられる。5三への成駒作りも見せている。相手の桂馬と交換になれば、再度打ちつけて、繰り返しアプローチを掛けられる。多くの場合、桂馬を刈り取るには二手以上かかる。そんなところでしょうか。でも、それだけではない何かがあるような気もしています。
頭に弱点をかかえ、行ったら戻ることができない駒、桂馬。なのに、なぜ攻めのキーとなりえるのか。その理由がもう少し深く分かれば、より効果的な桂馬の使い方ができるのではないか。
「相手がどうでも桂馬は跳べ」
これは、升田幸三先生が鬼殺しを解説する中で述べた言葉ですが、なにか将棋の真理の一つを言い当てているような気もします。
【関連】
『升田の研究 ~鬼手と石田流~』(マイナビ出版・将棋連盟文庫、2015年、18頁)