自玉の周りの金銀は、玉を守るためにいます。その事を意識するようになってから、いくらか自玉の安全度がアップしたかなという気がしています。
たとえば、相手の飛車がこちらの陣地を突破してきそう。金１枚を犠牲にすれば、龍成りを防げるという時に、どうするか。基本的には、龍成りを防ぐために金１枚を費やすべきだと考えるようになりました。龍が作られてしまえば、その後、こちらの桂馬や香車、果ては金銀までぼろぼろと取られてしまう恐れがあります。金１枚の損失で、甚大な被害を防ぎ、自玉が安全になるならば、その価値があるというものです。
また、相手の駒が自陣内で暴れ始めた際、離れ駒の金銀等をどうするか。それらを守るために、さらに金銀を投資するようでは、本当の安全は図れません。たとえば、離れ駒の銀を守るために、持ち駒の銀を打って連結させても、叩きの歩でも喰らえば、簡単に連結は乱れ、いずれ両方の銀が取られてしまうでしょう。１枚の銀の損失だったところが、２枚になってしまう。もう自陣は突破されているのだから、今さら離れ駒を守っても埒が明きません。だったら、その投資した銀を初めから自玉の周りに打ち付けた方がいい。その方がよほど自玉が安全になり、相手も攻略する際の手強さを感じるはず。
