私は居飛車で戦いますが、相手の右四間飛車に苦手意識があります。とりわけ後手番の時に苦戦しています。
右四間飛車は、飛角銀桂の連動したパワフルな攻めが持ち味だと思います。私にはそれをまともに受け止めようとする傾向があり、まんまと相手の仕掛けにはまり、つぶされてしまいがちです。
対策の一つとして、銀で5五の位を確保し、相手の角道を止める、があると思います。相手の攻めの連動を弱める目論見です。ただ、右四間飛車側が位をこじ開けてきたり、陽動作戦を展開したりすると、それが必ずしも上手くゆくわけではありません。
そうなると、残りの手段としては、相手の攻撃を上手く受け流し、その仕掛けを逆用するか。あるいは、飛車には飛車で対抗するしか思いつきません。前者が理想だと言う気がしていますが、私には上手く差しこなせません。よって、飛車を真向かいに移動させ、戦力を拮抗させるのが、今のところ私にとって一番の右四間飛車対策です。
かといって、居飛車ベースで地下鉄飛車まで組んでいる暇はない。そうなると、序盤から飛車を振ってしまった方がよい。おや、これでは振り飛車じゃないか、とはたと気づきました。
こうして対右四間飛車戦では、四間飛車に構えることが増えてきました。居飛車の純度が濁る気がして少し嫌ですが、そんなことにかまってもいられません。
真剣勝負での振り飛車。
試しで数回、飛車を振ってみたことはあり、その時いだいた印象とあまり変わりません。片美濃囲いはとにかく優秀。手早く組めて、そこそこ堅い。序盤は、盤面左側に駒が密集しがちなので、それらをどんな方針でいつ動かしてゆくか。右は固定的で、左は流動的。
今回さらに加わった印象は、とにかく一番嫌なのは、相手が急戦調で4五桂と跳ねてきた時。こちらの角はどこに移せばよいのだろう。角道を閉ざさず開いたままにしておけばよかった。それなら角交換できたのに。交換できないとなると、相手の角に対抗しておきたいが、そうなると、8筋(後手番だと2筋)が負担になる。角は6筋や5筋に一度引いた方が、後々使いやすい気もする。いや、そもそも、すでに全面的に開戦となりそう。そんな手間はかけていられない。どうしよう。
私自身も、対振り飛車と戦うとき、へなちょこ急戦(4五桂早仕掛け)を中心に組み立てます。それで対抗型の勝率がかなり上向きました。振り飛車側からすると、角をいじめられるのが、こんなにも悩ましいのかと身に沁みました。
こうなると、角も左銀も飛車も左桂馬もどんどん活用してゆくしかない。相手の攻撃をいなす、相手の仕掛けに乗る、駒を捌く、といった事が課題になるのだなという気がします。あるいは、攻めの準備をスムーズに進めて、受けから始めるのではなく、自分から先に仕掛けてゆくか。
結局、振り飛車での課題も、私が居飛車で戦う時の課題と同じになってしまうのでした。
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