将棋ウォーズのスプリントで対局してみた

1級への技法

『将棋ウォーズ』のスプリントで対局してみました。

形勢互角の中終盤の局面からスタートする異色の将棋です。

私は基本、10分切れ負けモードで戦うので、スプリントモードはあまり対局していません。形勢互角のまま中終盤をむかえることは、級位者にはなかなか難しいので、終盤の良い練習になるとは思っています。

とりあえず気づいたこと、学べたことを列挙しておきます。

・先手が一手目に初歩的な見逃しをすると、最短2手目で詰む場合がある。

・形勢互角なので詰みはありませんが、必至(必死)をかけることができるスタート局面がある。それに相手が気づかなければ、4手で勝負がつく。

・相手陣が堅く、こちらも堅い陣形ならば、鉄壁を築いて、時間切れ勝ちを狙うのもあり。3分切れ負けを上手く使う。攻めの構想を練るより、守備駒をぺたぺたと足した方が早い。ただ、時間勝ちを狙う悪いクセがついてしまう。通常の対局に悪い影響が出そう。迷う局面に出くわしたら、時間負けは気にせず、最低30秒は考えるようにしたい。

・意外と入玉しやすいスタート局面も多い。下手に自陣で受けきることを考えるより、早々と上部脱出に活路を見出すのもあり。入玉は難しいと思っていましたが、実戦では出現しやすいのだなというが発見でした。

・とはいえ体感的には、積極的に攻めた方が勝ちやすい。受けに間違いはあるが、攻めには拙さしかない。とりわけ、先手番だと勝ちやすい印象です。終盤において、手番を握りつづける大事さがよく分かります。

・将棋AI的には形勢互角かもしれないが、最善手以外は、形勢を大きく損ねるというスタート局面もままある。一手のミスも許されない、少しでも緩い手は許されない上での互角。そんな厳しい局面でスタートするなんて不利だと最初は思いましたが、実戦でも案外と多いからこそ、スタート局面になっているはず。終盤の恐ろしさ、将棋の逆転性を感じる。

・攻めはしっかり相手玉に向かってゆかないと、無駄な手になりがち。駒得より速度。本筋はどこか。終盤の一手の重みを感じやすい。

・竜の横効き、角の睨みは、絶大な効果。寄せの基本形を学びやすい。

・攻めの糸口が分からなければ、相手の玉付近の歩を突き捨てる。さらに局面が進んでしまうと、もう捨てている暇がない。形勢互角のうちに、垂れ歩の下準備を進めておく。

・総合的な棋力と終盤力の差を測る指標になりえる。私の場合、10分切れ負けモードより、スプリントモードの方が2級以上落ちる。もしスプリントの方が勝率が良い人がいたら、終盤が強い人。その人は序盤・中盤を鍛えれば、さらに将棋が強くなれるはず。

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